寄稿文「文部科学大臣賞に輝いて!奥山晴美」

この度は、第35回日本詩吟選手権大会におきまして、文部科学大臣賞という栄誉ある賞を頂戴いたしまして大変光栄でございます。
当日の審査員をしてくださった先生方ありがとうございました。
又、朝早くから大会運営をして頂いた役員の皆様ありがとうございました。役員皆様のおかげで何も心配することもなく大会に臨めました。

私と詩吟の出会いは実姉の存在です。当時身体の弱かった姉は父親の知り合いの方が詩吟教室を開いていたので、「詩吟は身体に良い」という父親の勧めで教室に通うようになり、やがて詩吟の魅力に惹かれていったようです。
私も家で練習している姉の吟を聞いているうちに興味がわいてきて、姉の勧めもあって一緒にお稽古に通うようになりました。当時、姉も私も練習が楽しくて、お稽古日が待ち遠しかったものです。
私の詩吟のルーツは、墨水流、師範大塚蘚峰先生です。この頃は詩吟人口も多くお教室の皆さんと競うように練習し、昇段試験に望んだ記憶が思い出されます。私には大塚蘚峰先生と姉という二人の先生がいたのでとても恵まれておりました。
藤の花が咲く頃に亀戸天神で行われる墨水流亀戸天神奉納吟詠において姉と二人で「櫻花詞」を連吟した思い出は忘れることはありません。私たちの吟を聞いて蘚峰先生の嬉しそうな顔が今でも浮かんできます。

その後、頑張って師範許状を頂きましたが結婚、出産、子育て、仕事などで30年間詩吟から離れていました。30年という月日は経ちましたが、詩吟への思いが沸々と湧き上がってきて、2017年復活致しました。
復活してからは、沢山の方々と出会い、助けていただき、お仲間に加えて頂き、友達も増えてきました。高齢になってから友達が増えてきたのも、詩吟のお陰と感謝しております。

今回コンクールで吟じさせて頂きました李白作「早に白帝城を発す」は詩情表現が難しく、上手く吟ずる事が出来なかったのですが、勉強会に参加したり、基礎練習に時間をかけたりしました。
奥の深い詩吟の入り口辺りにやっとたどり着いた様な気がします。これからも更に努力を続けて一段一段階段を登っていきたいと思います。
「努力は裏切らない」を心に刻み練習に励んでいきたいと思います。
今回の優勝は自信にもつながりましたし、努力の成果が得られた・・・本当に嬉しいです。

これからの展望と致しましては、私の地元埼玉県三郷市吟詠連盟会長はじめ理事の方々の詩吟の魅力を広く知って頂きたくPRに力を入れています。今回は社会福祉法人様からご依頼があり、PR効果があったと喜んでいます。私も更に詩吟の魅力を知って頂くために少しでも貢献したいと思っております。そして、お仲間と楽しく練習したり、ランチを楽しんだり、コンサートに行ったりして人生をエンジョイしたいと思います。

今回、この寄稿のご依頼を受けて、改めて、私の詩吟の原点を辿ることが出来た様な気がします。
蘚峰先生と姉そしてあの時代の事など甦り胸が熱くなりました。
この栄誉ある賞は私にいろいろなものを与え、教えてもくれました。
また、日本詩吟協会会員となる事ができ、嬉しく思います。ありがとうございました。
今後とも宜しくお願い致します。

奥山晴美(吟号:美風)
櫻風会会長
三郷市吟詠連盟理事

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