寄稿文「文部科学大臣賞に輝いて!西岡佐智世」

 この度は、第33回日本詩吟選手権大会におきまして、身に余る賞を頂戴し、感激しております。選んでいただきました審査員の先生方、本当にありがとうございました

 コロナ禍でのコンクール開催ということで、運営側の先生方の数々のご尽力とご配慮のおかげで、無事にコンクールが開催されたこと、本当に感謝しかありません。大変お疲れ様でございました。

 私は幼少の頃より、大阪で詩吟を嗜んでおり、平成2年にクラウン吟友会に入会させていただいて以来、日本詩吟協会会長の海老澤宏升先生には大変お世話になっております。

 師匠は、第一期少壮吟士の奥薗緑水先生です。残念ながら、平成2年に亡くなられ、あれから30年が経ちました。今回の吟題は、奥薗先生に最後に教えていただいた、「九段の桜」を選びました。日本武道館で独吟させていただいたことがあり、深い思い入れがある大好きな吟です。

 お世話になっている先生に勧めていただき今回初めてこちらのコンクールに出場させていただきましたが、海老澤会長はじめ、諸役の先生方にとても親切にしていただき、アウェイ感もなく楽しませていただくことができました。

 本数別のコンクールは関西にはなく、とても新鮮でした。予選は、転句までの三行であったため、緊張しっぱなしで思うように吟じることができませんでした。しかし、もう一度チャンスをいただけ、決勝に進出することができました。決勝は各部門から選出された31名の戦いで、私は出番が25番でしたので自身の出番までは、ずっと舞台袖で皆さんの吟を拝聴しておりました。皆さん大変お上手で、私には到底真似できない、人生経験が積み上げられ、熟練された吟をされる方が多く、大変レベルの高いコンクールに出場できたこと、非常に嬉しく思いました。私自身は決勝前に先生方にアドバイスをいただいたことで迷いがなくなり、思いっきり吟じることができました。おまけに最後に名前を呼んでいただけて、悲鳴をあげたいくらい嬉しかったです。

 また、一昨年の栃木県予選に出場させていただいた当時は、大阪在住だったのですが、偶然にも今月六月より仕事の都合で東京に引っ越して参りました。絶妙なタイミングでの全国大会開催で、非常に強いご縁を感じました。これからは微力ではありますが色んな形でお手伝いさせていただけたらと思っております。

 子供の頃から詩吟を続けている私にとって、詩吟は家庭やお仕事同様、生活には不可欠なものとなっています。吟界人口が年々減少していることが危惧されています。コロナ禍でなかなか活動がしづらいですが、まずは自身が楽しみ、その楽しさを継続して発信していきたいと思っております。

 吟界ではまだまだ若手と言っていただいており、若輩者でございます。今後も先生方のご指導ご鞭撻をたくさん賜り、吟界を盛り上げていきたい所存です。今後ともどうぞ宜しくお願い申し上げます。

西岡佐智世(吟号:緑優)
緑崇流吟道緑水吟詠会、吟歴38年

入賞歴
平成元年度(公財)全国吟詠コンクール決勝大会〈少年の部〉優勝
平成6年度同コンクール〈青年の部〉優勝
平成26年度同コンクール〈一般一部〉優勝
平成2年度クラウンレコード吟詠コンクール全国大会一位入選